ミステリーナイト2013 イスカの嘴 ~新たな夏の証言者~ 第1話

名探偵ニコリの事件簿2013
イスカの嘴(はし)
~新たな夏の証言者~
第1話 準備編
 
 
8月11日 3:00PM メトロポリタン到着
東京は7月中旬から下旬は涼しい日が続いていたが、8月になってから暑さが一気に襲いかかってきた。
外に出ただけで体中から汗が吹き出すため、外出することさえ億劫になってしまう。
そんな暑さが続いているかと思えばゲリラ豪雨のように天気が急変し、突然大雨が降ってしまうこともある。
この日も僕が出発した時は晴れていたが、目的地に近付くにつれて雲行きが変わっていき、やがて一時的に雷が鳴り続くという変な天気であった。
 
そんな変な天候の中、僕は目的地である池袋のホテルメトロポリタンに到着した。
 
今年で26年目を迎えたミステリーナイト。
お正月のミステリーナイトWinterでは運よく入賞できたが夏のイベントではまだ入賞経験がない。
今年こそは入賞をと意気込んでホテルへと入って行った。
今年もよろしくお願いします。
 
普通ならばホテルに着くとまずフロントでチェックインをするが、このイベントはフロントではなく、別の場所に設けられたカウンターにてチェックインをすることになる。
今回はホテル2階にそのカウンターが設けられており、僕がホテルに到着したときにはすでに数十名の探偵たちがチェックインを待っているところだった。
予定では3:30チェックイン開始となっていたはずだが、多くの探偵たちが早めにホテルに着いたため、チェックイン開始時刻を早めたのだろう。
おかげでチェックイン開始まで待たずに済むからこの配慮はうれしいものだ。
チェックイン待ちの列に並ぶとメトロポリタンスタッフから、チェックイン時に手渡す配布物の説明があった。
毎年のことなのでもう覚えているが確認のためしっかりと説明を受け、配布物を受け取る。
配布物は、探偵手帳やミステリー新聞という、事件の捜査をする際に重要となるアイテム、イベントの流れを示したプリント、そして記念品であるピンバッジなどがある。
特に探偵手帳には、登場人物のプロフィールやイベントの流れおよびイベント中に留意すべきポイント等が事細かに記されている。
事件の捜査において非常に重要となるので必ず目を通しておくように。
配布物に目をやっているといよいよ僕のチェックインの番がやってきた。スタッフに名前を告げ、部屋のカードキーを受け取り、自分の部屋へ向かった。
さあ、いよいよミステリーナイトの開幕だ!
 
3:15PM 家宅捜索
先ほどミステリーナイトの開幕と書いた。
「まだ事件が始まってないのに…?」と思う方もいるだろう。
そう。それがこのイベントの面白いところである。
実はこのイベント、チェックインした瞬間から事件はすでに始まっているのだ。
その第一歩となるのがこの「家宅捜索」である。
自分の部屋を確認し、入室。普通ならばここで旅の疲れを癒すため、ゆっくりくつろいだりするものだが、ミステリーナイトではそうはいかない。入室したら直ちに「家宅捜索」に取り掛かる必要がある。
客室にはウォーミングアップクイズというものが隠されている。このクイズを解くと事件の捜査を進めるための有利な手がかりが現れるので、必ず解かなければならない。
さらにこのクイズは部屋のどこかに隠されている。家具の裏とかベッドの下など、重いものを動かして探す必要はないが、リピーターであってもなかなか見つけることは難しい。
チェックインが終わったからといって一休み、というわけにはいかないのだ。
これだけでもこのイベントがいかに特殊なものかお分かりいただけるだろう。
 
入室後、さっそくクイズを探し回る……
 
 
 
 
 
 
 
探し回る…
 
 
 
 
 
 
のだが…
 
 
 
 
 
 
 
 

なぜかクイズが見つからない……
 
 
 
 
 
部屋中のありとあらゆるところを探してみたが、一向に見つからない…
 
 
 
 
 

今までは割と簡単にクイズを見つけられていたのだが今回はどういうわけかみつからない…
 
 
 
 
 
 
そして気付けば…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんと1時間も部屋の中を探していた!!!!
 
 
 
 
 
 
 
こんなことがあっていいのだろうか…
 
 
 
 
 
やがて浮かんだいくつかの疑問。
 
 
 
 
「今回実はクイズは隠されていないのでは…?」
「まさかスタッフが隠し忘れた!?」
 
前者については探偵手帳を見て、確かにクイズが隠れていることを確認した。
だが、後者については直接スタッフに聞いてみなければわからない…

ということでここでいったん家宅捜索を打ち切り、スタッフに確認することも兼ねて僕は次のステップである
「館内捜索」に進むことにした。
4:20PM 館内捜索
イベントが開催されるホテル内には、登場人物のプロフィール、現場となる場所の様子など、その時々で内容は異なるが事件に関する情報が書かれているヒントパネルなるものがあちらこちらに用意されている。それを探し出す作業が「館内捜索」である。
このパネルにも事件についての情報が記載されているので必ず確認しておくように。
今回も、具体的な内容は伏せるが、事件に関連する情報が事細かに記載されたパネルが複数枚展示されていた。
すべての情報に目を通し、整理する。
果たしてこれらの情報が事件にどのようにかかわってくるのか…
 
そして館内捜索終了後、僕はスタッフに客室クイズについて確認する。
今回も確かにクイズは隠れており、こういうところを探してみてはいかがでしょう、と少しアドバイスをもらった。
その情報を基に、部屋に戻った後もう一度探してみた。
 
捜索再開5分後…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

あったーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
 
 
 
 
 

あっさりクイズを見つけた…

最初の捜索の時、一応その場所を調べはしたが徹底的に調べはしなかった場所だった…
詳しくはネタバレ防止のため書けないが、灯台下暗しとはこういうことを言うんだな…そう思った
家宅捜索の段階からこんなんじゃ先が思いやられる…と少しへこんだ…orz

時刻は午後5時。

この後は次の予定までフリータイムとなったので、捜査中におなかがすいたときに腹の足しにするお菓子や飲み物などを買いに行き、その後再度事件の内容を整理し、次の予定を待った。
 
 
7:00PM ディナータイム
このイベントでは、別料金になるがオプションでディナーを頼むことができる。
このディナーだが、ディナー会場にも事件を解く上で重要となるヒントがいくつか隠されている。
もしお金に余裕があるようならばディナーを申し込んでみることをお勧めする。
ディナータイムは夕方5時からと夜7時からの2回ある。通常僕は5時の回を予約するのだが、今回はディナーの予約申し込みが遅くなってしまい、7時からの回になってしまった。
まあディナーの時間によって出されるヒントに変わりはないのでよしとしよう。
 
今回僕が申し込んだのは中華料理。
そのメニューは以下の通り。
 
・小さな町の前菜飾り盛り
・ふかひれ姿煮入りミステリースープ
・鶏肉とイスカ型人参 唐辛子炒め
・お面を破った海老の岩塩炒め
・帆立貝とエリンギ茸 チリソース煮 -冤罪か?-
・夏の夜空風 黒炒飯
・脳裏に残る夏祭りデザート
 

 
特別メニューには毎回事件にちなんだ料理名がつけられているが、それは今回も健在だった。
なかなか面白いメニューである(^^
 
そんなことを思いながら絶品料理を堪能していた時、一人のスタッフがこう言ってきた。
 
「この後私の人生にかけて何かが起こります。何も起こらなかったときは…申し訳ありません…」
 
ん?何だ??
 
ミステリーナイト参加時は毎回ディナーを頼んでいたが今までこんなことは一度もなかった。いったい何が始まるんだろう…?
そう思っていたが…
 
 
 
 
 
 
 
 
 

何も起こりそうにない…
 
 
 
 
 
 

5分~10分ほど待ったが何も起こらない…
 
 
 
 
 
 
 
 

何だったんだと思いながら料理を味わっていたその時だった…!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
突然その「何か」が起こった!
それも僕の目の前数メートルのところで!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いやあびっくりしたなぁ…まさかあんなことが起こるなんて…
 
 
 
 
……
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

その「何か」が何であるかがネタバレ防止のため全く書けないのがつらいが…orz
 
 
 
 
 

遅くなったがここで一つ皆様に申し上げておくことが一つ。
このイベントは謎解きイベントという性質上、具体的にどんな事件が起きたか、物語はどんな展開を迎えたか、事件の真相は、といったことは一切書くことができない。
そのため、この記事は全く参加報告にならないとは思うが、他の探偵たちの楽しみを損なうことがないようにこのような措置を取っていることをご了承願いたい。
 
では話を元に戻そう。

意外な出来事が起きたディナータイムも無事終了。おいしいディナーを堪能し、ヒントも貰った。さあ次はいよいよ事件編の開幕となる。
いったん部屋に戻り、必要な荷物を持って会場へ向かった。
 

8:30PM 探偵登録&開場
イベント会場が開場し、探偵たちが次々と入っていく。
その際「探偵登録」を行う必要がある。これはいわゆる参加登録というものであり、自分の名前と部屋番号を書いてスタッフに提出することになるがその際、事件を解くためのヒントがひとつもらえるのだ。

このヒントだが、今年初参加の新人探偵と何度か参加したことのあるリピーター探偵にはそれぞれ別のヒントが配布される。
各人どちらかひとつしかヒントがもらえないが、情報交換というものは可能である。
事件を解くにはヒントは多いほうがいいので、思い切って声をかけてみるのはいかがだろうか。
ちなみに新人探偵とリピーター探偵では受付場所が異なっているので、誰が新人で誰がリピーターかの区別はつきやすくなっている。
ヒントをもらった直後に声をかけてみるのがいいだろう。
 
僕は毎年開場直後にリピーターヒントをもらい、その足で新人探偵の受付場所に行ってに声をかけ、新人探偵用のヒントをもらっているが、今年はディナータイムが遅かったため、開場に間に合わず、僕が会場に着いた時は新人探偵の姿が見られなかった。今年は新人探偵用のヒントはなしかと思っていたところ、運よく受付に新人探偵が到着する場面に出くわすことができた。
ヒントの共有を申し出るとその探偵たちは驚きながらも快くヒントを見せてくれた。

このヒントは毎年そうだがもらった時点では何を意味するかは不明であるが、謎を解く大きな手がかりとなるのでヒントをしっかり覚えた上で観劇しよう。
そして、ディナーを食べる際はなるべく5時の回を申し込もう、そう思った(^^;
 
探偵登録後、事件会場となるホールに入場。座席の位置はイベントに予約申し込みをした時点で決まっている。
近年の僕の予約状況と席の関係からすると、早めに予約したほうがいい席になりやすい。
イベントの申し込みはお早めに(^^
 
イベント会場は毎年そうだが、中央に通路があり、その両側に座席が用意されている。
今年の僕の席は前から2列目でステージをほぼ中央で見ることができる良い席であった。
座席に着いた後はステージを眺める。ステージには今回の舞台となるとある場所が再現されている。
このステージの上で一体どんな事件が起こるのか…
 
 
 
第2話 事件編に続く。