ミステリーナイト2016 とり残された学園 第1話

名探偵ニコリの事件簿2016

とり残された学園

第1話 準備編



※お断り※

この報告記事については、観客参加型推理イベントという特性上、事件の内容や真相等の
詳細な部分について語ること、いわゆるネタバレとなるような内容については
一切記載しておりません。
そのため、未参加の方には何を言っているのか全く分からない部分が多々あると思います。
本当は詳細を書きたいのですが、本イベントは今後別の地域でも開催予定であり、
それを楽しみにしている方々に詳細情報が漏れてしまうことを防ぐための措置として
ご了承ください。

なお、本イベントについては東京公演での内容を記載しております。イベントの流れの様子や
捜査方法など、他地域で開催されたものと一部異なる部分がある場合がございます。
あわせてご了承ください。


上記2点をご了承のうえ、参加報告をお楽しみください。






8月14日 PM3:00 池袋 ホテルメトロポリタン

世間がリオデジャネイロオリンピックや甲子園などのスポーツイベントに熱中する中、
僕は池袋にあるホテルメトロポリタンのロビーにて、とあるイベントの受付開始の時を
静かに待っていた。

そのイベントとは…


ミステリーナイト


である。

ミステリーナイトとは、目の前で発生した不可思議な殺人事件を自らの手で解決に導く
観客参加型の本格推理イベントである。

1987年夏、閑散期のホテルを利用したイベントを開催できないかということで第1回が開催されたが
開催のたびに、


「ホテルで殺人事件に巻き込まれてきた!」

「難しかったけどすごい楽しかった!!」

とその人気が口コミでじわじわと広がり、
現在では毎年夏になると日本全国から探偵を自任する客たちがイベントに参加し
難事件に立ち向かう一大イベントである。

東京では毎年4日間開催され、1日あたりの参加者は最大400人。
合計で1600人の探偵たちが一堂に会し、目の前で繰り広げられる殺人事件に挑み、
日本一の探偵を決定する、いわば探偵たちによる頭脳のオリンピックである。
優秀な推理を披露したものは表彰され、中でも各回で最高得点を獲得した探偵には
最優秀名探偵賞という栄誉とその証である金メダルならぬ金バッジが贈呈される。

2006年7月に福岡で初めて参加してからちょうど10年となる僕。
夏のミステリーナイトでは、初参加した時に優秀新人探偵賞をもらって以来、
全く入賞したことがないため、この節目の年に絶対入賞、あわよくば最優秀名探偵賞を勝ち取るぞ!
そう強い決意をもってイベントに臨んだ。

ではここからはミステリーナイト未参加の方にもどのようなイベントなのかわかるために、
1日の様子を簡単に書いていこうと思う。

「ミステリーナイトって何?」
「興味あるんだけど難しいんでしょう…」
と興味がある人、参加に二の足を踏んでいる人も多くいるだろうが、そういった人々に
ミステリーナイトがどういうものかわかっていただければ、そしてこの記事を読んで

「面白そう!」
「一度参加してみよう!!」

そう思ってもらえれば幸いである。


PM3:00すぎ チェックイン開始

まずホテルに着いたら「チェックイン」をしよう。

ただし、ミステリーナイト参加者のチェックインは、通常の宿泊時のチェックインとは
少し勝手が異なる。
ミステリーナイトではフロントではなく、別の場所に設けられたカウンターにて
チェックインをすることになる。
カウンターの場所は毎回変わるがホテル内に案内板が設けられているのでそれを参考に
カウンターへ向かおう。

今回チェックイン開始は午後3時30分からだったのだが、探偵たちが宿泊する部屋の準備が
完了したこと、そしてすでに僕を含む10名ほどの探偵たちがチェックイン開始を
今か今かと待っていたことから予定が早まり、午後3時過ぎにチェックイン開始となった。

チェックインではホテルに宿泊するときと同様に自室の鍵(メトロポリタンではカードキー)が
手渡されるが、この時探偵手帳と呼ばれるアイテムもあわせて手渡される。

探偵手帳とは、今回発生する事件のあらましや登場人物のプロフィール、
さらにはイベントの流れ及びイベント中における留意点等が記してある、
いわゆるルールブックのようなものである。
イベント参加者は常に携行を求められるため、捜査中は忘れずに持っていこう。

また、記念品としてピンバッジも配布される。
毎回事件にちなんだものをモチーフとして作成されるなかなかおしゃれなバッジである。
大切に保管するもよし、どこかに身に着けて捜査に臨むもよし、である。
ただし、落とさないようにくれぐれも気を付けてほしい(^^;

配布物を受け取り、スタッフから「推理頑張ってください!」と激励を受けたのち
、僕は宿泊することとなる部屋へ向かった。

いよいよミステリーナイトの開幕である!


PM3:10 家宅捜索

「ミステリーナイトって事件が起きる劇を観ることから始まるんでしょ?もう開幕なの?」

そう思う方もいるかもしれない。
その疑問はもっともだが、ミステリーナイトはチェックインした時からもうすでに始まっているのだ。

普通の旅行なら部屋に入ったあとは荷物整理をしてどこかに出かける、
ということが可能だがミステリーナイトではそうはいかない。

なぜなら客室に事件解決につながる重要な手がかりが隠されているからだ。

その手掛かりはウォーミングアップクイズと呼ばれるものであり、客室のどこかに隠されている。
このクイズを解くと前述したように事件の捜査を進めるための手がかりが得られるため、
必ず解かなければならない。これが家宅捜索である。

しかしこのクイズは、こちらも前述したように、すぐ目に付く場所にはなく、
部屋のどこかに隠されている。家具の裏とかベッドの下など、重いものを動かして探す必要はないが、
リピーターであってもなかなか見つけることは難しい。
怪しい箇所を隅から隅までくまなく探してクイズを見つけ、無事見つけたら必ず解いておこう。

…かくいう僕はここ数年、なかなかウォーミングアップクイズを発見できず、
先が思いやられるなあと思うことが多かったが、今回は5分ほどで無事クイズを発見。
さらにクイズも比較的早く解き終わるなど、まずまずのスタートを切ることができた。




しかし!


これ以外にもまだまだやるべきことはある。それが「館内捜索」である。


PM3:30 館内捜索

実は事件に関する情報は客室内だけでなく、ホテル内にもヒントパネルという形で
いくつか提示されている。このパネルを探し、さらなる情報を得るための捜査のことを
館内捜索という。

このパネルには、登場人物のプロフィール現場となる場所の様子など、
その時々で内容やパネル枚数は異なるが、事件に関する情報が書かれている。
過去には事件解決の決め手となる情報がヒントパネルに含まれていたという事件もあった。
何が事件解決に結びつくかわからないのでパネルの内容は事件編開始までに必ず確認しておこう。

10分ほど館内を周ってすべてのパネルを確認。その後の行動については人によって分かれる。
中には事件編開演まで自由時間という方もいる。そうなった時におすすめの行動を
以下に示しておこう。

家宅捜索及び館内捜索を終えたらいったん部屋に戻り、
今回の事件のストーリー、登場人物、舞台となる場所など、これまでに得た情報を整理してみよう。

しかし、得られる情報は思ったより多く、なかなか覚えられないという人もいるかもしれない。
そんなときは登場人物の名前を覚えることから始めよう。

ミステリーナイトは、誰が、どこで、どんな行動をとったか、どんな発言をしたかなどを
確認することが非常に重要となる。
その際、人物名がわかっていないと犯人を特定することが極めて困難になる。
そのため、登場人物の名前だけは少なくとも覚えておこう。

…とまあここで自由時間となる探偵たちもいるが一方で次の予定が待っている探偵たちもいるだろう。
その予定というのが、ミステリーナイトディナーである。


PM5:00 ディナータイム

ミステリーナイトでは、別料金になってしまうが、
和・洋・中のコースディナーを注文することができる。
料理はその時開催されるイベントの事件内容をもとにシェフが考案したものであり、
どの料理も腕によりをかけた絶品料理である。
さらに、ディナーを味わったものだけがもらえるディナーヒントもある。
事件解決の更なる手がかりが増えるのでぜひ申し込んでみてはいかがだろうか。


今回僕が頼んだのは中華のコース料理。
今回のメニューは以下の通り。


夏の三種前菜盛り合わせ
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ふかひれ入り 赤い冷たいスープ
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イイダコと季節野菜入り 岩塩炒め
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有頭海老姿揚げ オーロラソース
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豚バラ肉醤油煮込み グリーンの野菜を添えて
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四川風ライスロール
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高い塀をイメージしたパイを使ったデザート
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なんだか一気にグルメブログになってしまった感があるなぁ(^^;





近年はSNSでおいしいご飯の画像をアップして、それを見たものを空腹に追い込む
「飯テロ」なんて言葉があるが、この報告記事も飯テロっぽくなってしまった。
もし空腹を覚えたものがいたならば申し訳ないm(_ _)m





…というのはさておき…

絶品の中華料理を味わっていたところ、中華レストランの女性スタッフから

「皆様ご注目ください」

との声がかかった。

いよいよだな、そう思いながらいったん食事を中断する。

これから前述したディナーヒントが提示されるのである。

今回ディナーヒントをくれるのは中華レストランの女性スタッフ。
探偵たちへの歓迎のあいさつののち、彼女が寸劇によってヒントを提示してくれた。
その様子に笑いながらもヒントを記録する探偵たち。僕もしっかりとメモを取った。
果たしてこのヒントが事件解決にどう役に立つのか…

こうしてヒント提示タイムが進んでいくが、ここで彼女が探偵たちにある質問をした。

「今回初参加という方はどれくらいいらっしゃいますか?」

その問いに挙手で答える新人探偵(初参加の探偵)たち。
ディナーを食べていたのはおよそ30名ほど。その中で5,6名が手を挙げていた

このイベントは過去にミステリーナイトイベントに参加したことのある
リピーター参加者の割合が非常に高く、むしろ新人探偵の割合が圧倒的に少ないのである。
だからと言って新人探偵諸君は臆することはない。

新人探偵の中にもずば抜けて素晴らしい推理を披露する者もいるし、今回だって…





…おっと、この先は今はまだ書くべきことではなかった(^^;





…まあチャンスは皆に平等にある、とだけ今は言っておこう。


さて新人探偵の確認が終わったところで彼女はこう続けた。


「実は今回なかなかのツワモノが参加しております!」


そう言って彼女が紹介したのが…




















なぜか僕だった。










突然一同の注目を浴びる僕。




4年前の夏、


あいつに絡まれたことを思い出すよ(^^;





…というのはおいといて…



実は彼女がこう思ったのには理由がある。
彼女は僕に料理を運んできてくれたが、その際、僕が首に巻いていたこれが目についたのである。

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10年前ミステリーナイトに初参加した時、記念品のピンバッジ
それをつけるためのネックストラップを受け取っていた。
それ以来、記念品でピンバッジをもらったり、あるいは運よく入賞して名探偵の証である
金バッジあるいは銀バッジを獲得した際は必ずこのストラップにつけて、
ミステリーナイト参加中は首からぶら下げて参加しているのである。

ほとんどが参加証であるピンバッジなのだが、これだけ参加しているなら
事件を解くポイントやノウハウなどを知っていて当然と思われたのだろう。
だからこのように紹介されたのだが…


うーむ、こうなってしまっては下手な推理はできないな…


と妙なプレッシャーを感じてしまった(^^;

このプレッシャーがいい方向に働いてくれればいいが…
そう思いながらヒント提示タイムは終了。僕は引き続きディナーを味わうことにした。


…やがてディナーを終え、いったん部屋に戻った。
この後は事件編開幕までフリータイムとなるが、捜査を有利に進めるべく、
開演の時まで再度情報を整理することとした。

そして開演時間間近。僕は必要な荷物を持って会場へ向かった。


PM8:30 探偵登録&イベントホール開場

イベント会場となるホールが開場し、探偵たちが次々と入っていく。
入場の際、ここに書いた
探偵登録を行う必要がある。これはいわゆる参加登録というものであり、
自分の名前と部屋番号を書いてスタッフに提出することになるがその際、
事件を解くためのヒントがひとつもらえるのだ。

このヒントだが、
新人探偵とリピーター探偵にはそれぞれ別のヒントが配布される。
各人どちらかひとつしかヒントがもらえないが、情報交換というものは可能である

また、新人探偵とリピーター探偵では受付場所が異なっているので、
誰が新人で誰がリピーターかの区別はつきやすくなっており、
さらにヒントが書いてある紙の色も異なっている
自分と違う色の紙を持っている探偵たちがいたら大チャンス。
思い切って声をかけて情報交換を呼びかけてみるのはいかがだろうか。
 
僕もヒントをもらうべく、新人探偵の受付場所に行ってに声をかけ、新人探偵用のヒントをもらう
。ヒントの共有を申し出るとその探偵たちは驚きながらも快くヒントを見せてくれた。
新人探偵たちの協力は本当にありがたいものである。

このヒント、そしてウォーミングアップクイズのヒントやディナーヒントもそうだが、
もらった時点では何を意味するかは不明である。
だが、このヒントは謎を解く大きな手がかりとなるのでヒントをしっかり覚えた上で観劇しよう。
 
探偵登録後、事件会場となるホールに入場。座席位置を確認する。
座席を確認後はステージにぎりぎりまで近づいてみて今回のセットを確認。
これから起こる出来事をあれやこれやと想像しながら開演の時を待つ。

果たしてこのステージの上で、これから何が起こるのか…



第2話 事件編に続く。