ミステリー・ザ・サード2014 マーダー・コミュニティ 我らが街の悪夢 前編

名探偵ニコリの事件簿2014秋

マーダー・コミュニティ 我らが街の悪夢

前編


 
11月8日 10:50AM 代々木駅周辺某所

気温が急激に低下し、一気に冬の様相を呈してきた11月の東京。
そんな寒さの中、僕は代々木駅に足を運んだ。
この日は、本格ミステリを実際に体験できるミステリーナイトを運営するE-pin企画が開催する
「ミステリー・ザ・サード」に参加することになっている。

E-pin企画はこれまで多くの本格ミステリイベントを企画してきた。
ホテルで起こった殺人事件を、ヒントルームを巡り、容疑者に尋問するなどして情報を集め、解決を目指す1泊2日のイベント「ミステリーナイト」
地方都市を巡りながら突如発生した殺人事件の謎を解き明かすリアルタイムイベント「探偵ミステリーツアー」
そしてそれに続く第三の企画としてスタートしたのが「ミステリー・ザ・サード

通常のイベントとは異なり、「ミステリーナイトへようこそ!」などの歓迎のあいさつはなく、また、ミステリーナイトのようにヒントルームやヒントツールなどが一切なく、さらには参加者ごとに得られる情報が異なったりする、そして、事件は目の前で突如発生し、自分が容疑者として疑われてしまうかもしれないという究極のリアルタイムミステリーイベントである。
プロデューサーの城島和歌乃さんは、「おそらく世界一難しい謎解きイベントではないか」と自負しているイベントである。
6年前に始まったこのイベント。僕が参加したのは5年前に開催された第2回イベントから。
今回がちょうど5回目の参加である。
だがミステリー・ザ・サードは先に述べたとおり、ヒントをまとめた資料が存在しないので、目の前で起きることすべてを記録し、その中から事件の真相解明につながる情報を自分で探しださなければならない。
これが非常に難しく、過去4回参加した中で僕は1回しか犯人を当てられたことがない。
果たして今回は真相を見抜けるだろうか、そう思いながらイベントに臨む。

今回は代々木近辺で開催されることになっており、イベント参加1週間ほど前になるとイベントへの参加証が送られてくる。
その参加証の内容に従って会場に向かうことになる。
のだが…

ミステリー・ザ・サードはこの参加証も凝った作りになっている。

参加証には「ミステリー・ザ・サードへのお申込みありがとうございます」という文言は一切なく、今回の物語の設定に即した内容についての案内が記載されている。

少し具体的に話そう。

まずは今回の物語設定から。

物語の舞台となるのは、代々木(よよぎ)という街がある箇所に位置し、代々木(よよぎ)に非常によく似た代々木(だいだいぎ)という架空の街。
そこにはオレンジをシンボルマークとした「だいだい商店街」があり、食料品や家電製品店、雑貨店、飲食店が軒を連ねる昔ながらの情緒あふれる商店街である。
ところが近年、近くにある工場跡地への大型ショッピングモール建設計画が浮上し、そのため商店街の人々は建設賛成派反対派の2つにわかれてしまった。
建設を巡っては両者の間で何度か議論の場が設けられ、話し合いが行われてきたが…


というもの。

そして参加者にはこの件について行われる「ある会合」についての案内が送付されてくる。
それを読み、会合の主旨、会合実施日時、そして当日の集合場所を確認するのである。

これを聞いて「本当に謎解きイベントなの??」「ただ会合をするだけでは??」と思う方もいるかもしれない。
そう。リアルさをとことんまで追求するこのイベントは、参加証にもリアルさを追求しており、参加者にはあくまで会合に参加してもらうという体で案内が届くのだ。
その会合の中で突如殺人事件が発生する、すなわち、事件に巻き込まれてしまった、という感覚が味わえるのがこのイベントの最大の特徴である。

ちなみに参加証の裏には、ミステリー・ザ・サードに関する注意事項等がちゃんと書かれているので安心してほしい(?)


前置きがかなり長くなったが話をイベントの様子に戻そう。

指定の日時に僕は代々木駅周辺の某所に向かう。そこには会合の受付スタッフがおり、本日の会合に参加する旨を伝えることになっている。集合場所に全員が集まったところでさらに別の場所に移動し、そこでいよいよ会合が行われる。
さあ、いよいよミステリー・ザ・サードの始まりだ。

11:00AM 会合開始

会場に着くとミステリーナイト等でよく見る役者さんが出迎えてくれた。だが彼らも完全に役になりきっており、あくまで会合のスタッフという立場から参加者一同を出迎えてくれる。
そんな彼らの案内で用意された座席に着席。そしてついに会合が始まる。

なお、ここから先の様子だが、謎解きイベントはその特性上、ネタバレ厳禁のイベントである。さらにミステリー・ザ・サードでは劇の進行そのものも事件の真相解明につながる情報が含まれる可能性もあるため、イベントの具体的な描写については記述を控えさせていただく。

ではレポートに戻ろう。


ついに始まった会合。参加者も会合に出席しているという体で会場にいるが、役者たちの一挙手一投足を見逃すまいと彼らの言動を細心の注意を払いながらチェックする。
そんな中物語は進んでいくが、ある段階で「おお!」とうなってしまったある仕掛けが発動する。
会合が始まった時からずっと気になっていたことがあったがこういうことだったのか!と思うことがあった。

何があったのかはぜひ参加してその目で確かめてみてほしい。

その後は参加者も物語に絡むことになるある演出があったり、少し前に国会で話題になったある問題をネタとして取り入れた展開があったりしながら会合は進んでいくが…





突然ある異常事態が発生!!





その様子を調べた結果…




会合参加者の一人が死んでしまっていた!!




突如発生した恐ろしい事件。はたして事件の真相は…?


後半に続く。