ミステリーナイト2015参加報告 第1話
8月15日 3:00PM メトロポリタン到着
うだるような暑さが続いていたがその暑さが少し和らいだように感じる東京。
世間がお盆休みの終わりを迎えようとしている中、僕は池袋のホテルメトロポリタンへ出向いていた。
毎年夏の恒例行事・ミステリーナイトに参加するためである。
ミステリーナイト―それはホテルを舞台に自分の目の前で発生した不可思議な殺人事件の謎を自らの手で解決に導く観客参加型の推理イベントである。
もう少し具体的にいうと
・まず「事件編」と称される劇を見る。この劇では終盤に謎の殺人事件が発生するが、そこで事件は解決せず、いったん幕引きとなる。
・その後イベント参加者である探偵たちはホテル内を巡って事件の手がかりを集め、真相を推理し、それを逮捕状と呼ばれる解答用紙に記載し提出する。
・翌朝上演の「解決編」で事件の真相が明らかとなり、その後の表彰式で優秀な推理を披露したものが表彰される。
というものである。
身も蓋もない言い方をすれば「いい歳をした大人が探偵ごっこに興じる」というものであるが
実際に参加してみると
「事件の真相は何だ?」
「この手がかりは何を意味するんだろう…?」
といつの間にか推理に夢中になっていて
「だめだ!回答提出締切までもう時間がない!」
「今になって事件の真相がわかった!悔しい!」
と焦ったり悔しがったりして
「よし!次こそは犯人を当てるぞ!!」
と早くも次回への参加を決めたりと、いつの間にかイベントに魅了されてしまっているのだ。
僕は2006年に初めてこのイベントに参加し、以来毎年夏はミステリーナイトに参加してきた。
同じ企画会社が主催する関連イベントにも多く参加しているが、ミステリーナイトは今回がちょうど10回目。
節目となる回であるが、それ以上に今回はスペシャルなことが多い。
まず、会場となるホテルメトロポリタンがこのたび開業30周年を迎えたことである。
ミステリーナイトでしか利用する機会がないが、30年にもわたって日本各地や世界各国から池袋を訪れた方々に安らぎの場を提供し続けているのは素晴らしいことである。
ホテルメトロポリタンさん、おめでとうございます。
これに合わせて今回はスペシャル企画となっている。
今回の事件は…
なんとミステリ作家・有栖川有栖氏とコラボした
内容なのだ!
映像出演となっているがいったいどんな形で登場するのか、非常に楽しみである。
さらにさらに今回は役者さんにも注目である。
今回は3年ぶりに九十九一さんのご登場である!
ミスター・ミステリーナイトと言ってもいいだろう九十九さんだが、2012年のイベント以来、どういうわけか出演されない年が続いていた。
それが今回久しぶりの登場である。これには多くのミステリーナイトファンが沸き立った。
初めて参加した2006年、最優秀名探偵賞を受賞してインタビューを受けた探偵を見て
「僕もいつの日か最優秀名探偵賞を獲って九十九さんのインタビューを受けたい!」そう思うようになった。
「節目となる今回は絶対最優秀名探偵賞を獲るぞ!」そう思いながら会場となるホテルメトロポリタンに入っていった。
さてここからはイベントの流れも説明しつつ、捜査内容を報告していくことにしよう。
いくつかの内容は昨年の報告とほぼ同じ説明文になっているがあしからず。
3:30PM チェックイン受付開始
まずホテルに着いたら「チェックイン」をしよう。
ただし、ミステリーナイト参加者のチェックインは、通常の宿泊時のチェックインとは少し勝手が異なる。
ミステリーナイトではフロントではなく、別の場所に設けられた特設カウンターにてチェックインをすることになる。
カウンターの場所は毎回変わるがホテル内に案内板が設けられているのでそれを参考にカウンターへ向かおう。
カウンターに到着するとすでに数十名の探偵たちが列に待機し、順番にチェックインを行っていた。
チェックイン待ちの列に並ぶとメトロポリタンスタッフから配布物を受け取ることになる。
この配布物は、事件の捜査をする際に重要となるアイテムである探偵手帳、イベントの流れを示したプリント、そして記念品であるピンバッジなどがある。
特に探偵手帳には、登場人物のプロフィールやイベントの流れおよびイベント中に留意すべきポイント等が事細かに記されている。
事件の捜査において非常に重要となるので必ず目を通しておくように。
配布物に目を通しながら待っているとようやくチェックインの番がやってきた。スタッフに名前を告げ、部屋のカードキーを受け取り、自分の部屋へ向かった。
いよいよミステリーナイトの開幕である!
3:40PM 家宅捜索
チェックインを済ませ、部屋に入ったからと言って安心はできない。
実はこのイベントはチェックインした瞬間から事件はすでに始まっているのだ。
最初にするのがこの「家宅捜索」である。
客室にはどこかに「ウォーミングアップクイズ」というものが隠されている。このクイズを解くと事件の捜査を進めるための有利な手がかりが現れるので、必ず解かなければならない。
また、このクイズはすぐ目に付く場所にはなく、部屋のどこかに隠されている。家具の裏とかベッドの下など、重いものを動かして探す必要はないが、リピーターであってもなかなか見つけることは難しい。
怪しい箇所を隅から隅までくまなく探してクイズを見つけ、無事見つけたら必ず解いておこう。
ということで家宅捜索を開始した僕だが…
なかなか見つからない…
怪しい個所は一通り調べ終わったはずだがどうしても見つからない…
2年前の夏はクイズ発見まで1時間以上かかったり、捜索の途中で「実はクイズを隠し忘れたのではないか」とスタッフさんに確認したりしたのだが、その悪夢(?)がよみがえる。
今回こそ隠し忘れか?そう思いながらも捜索を続け、30分ほどが経ったとき…
あった!!!!
ようやくクイズを見つけた!
このまま事件編上演まで見つからないのではと思ったが無事見つかってよかった。
だが、見つけただけでほっとしてはいけない。これはウォーミングアップ「クイズ」であり、解かないと謎解きのヒントがもらえないのだ。
事件の捜査を少しでも有利に進めるためにはヒントは多いほうがいい。そして僕はクイズに挑戦することにした…
のだが…
今度はそのクイズがなかなか解けない…
いつもなら比較的早い時間でクイズを解くのだが、今回はどういうわけか解けない…
もしかしたらこの情報だけではクイズは解けないのか、そんな考えも頭をよぎる。
しばらく考えてもやっぱり解けそうにない…
イベント開始段階でこの体たらく、先が思いやられる…
そんな気分になるが解けないものは仕方ない。いったんクイズのことは忘れて次のステップに移ろう。
そう思い、僕は「館内捜索」に出かけることにした。
4:30PM 館内捜索
家宅捜索を終えた探偵が次にすべきなのがこの「館内捜索」である。
ホテル内には「ヒントパネル」なるものがいくつか配置されている。このパネルには、登場人物のプロフィール、現場となる場所の様子など、その時々で内容やパネル枚数は異なるが事件に関する情報が書かれている。
このパネルにも事件を解く重要な手がかりが含まれるので必ず確認しておこう。
10分ほど館内を周ってすべてのパネルを確認。その後はいったん部屋に戻り、先ほどのウォーミングアップクイズに再挑戦!
…してみたがやはり解けそうにない…
今回は本当に調子が悪いなあ…
そんなことを思いながらクイズとにらめっこしていると時刻はいつの間にか夕方5時。
僕はそのクイズを持ってある場所へ移動した。
5:00PM ディナータイム
ミステリーナイトには、別料金になってしまうが、和・洋・中のコースディナーを注文することができる。
いずれもシェフが腕によりをかけた絶品料理を味わうことができ、さらにディナーを頼んだ人限定でもらえるヒントがあるのだ。
時間帯は午後5時からの回と午後7時からの回の2部制。
ヒントをもらいつつ推理の前の腹ごしらえをするのはいかがだろうか。
今回僕が頼んだのは洋食のコース料理。
ディナー会場はメトロポリタン25階に位置するレストラン。
池袋の街を一望できる素敵なレストランであり、さらに今回はディナーの最中にピアノの生演奏もあった。
なかなかに優雅なディナータイムである。
そのディナーだがいずれのコースもメニュー名が事件にちなんだものになっている。
今回のメニューは以下の通り。
ミステリーナイト2015 クラッシックな前菜盛り合わせ
謎のパスタ キタッラのアマトリチャーナ風
牛サーロインのローストビーフ“英国式”レフォールソース
“寝台列車”ガトー トレイン
その他、ホテル自家製パン、コーヒー付き
今回のメニュー名もなかなかしゃれている。
さて、これらの料理を味わっていたところ、ある奇妙な出来事が起きた。
何が起きたかはネタバレ防止のため書けないが、この奇妙な出来事によってディナーヒントがもらえるのだ。
ヒントがもらえる方法は食べるディナーによって違うと思うが、絶品料理が楽しめなおかつヒントももらえるのはお得である。
少々値は張るが注文してみてはいかがだろうか。
さてディナーを味わっている最中も先ほどのウォーミングアップクイズのことを考えていたが
料理を味わうことで頭に糖分が回ってきたのか頭の回転もよくなり…
ようやくクイズが解けた!
開演までに解けてよかったとほっと一安心である(^^;
そしてディナータイム終了。この後はいよいよ事件編の開幕となる。
それまでは多少時間があったのでいったん部屋に戻り、開演の時までこれまでに得た情報を整理することにした。
ミステリーナイトでは実に多くの情報が飛び交うが、情報が多すぎて何を整理すればいいかわからない!という方もいると思う。
そんなときは、まずは登場人物の名前を覚えることから始めよう。
ミステリーナイトは、誰が、どこで、どんな行動をとったか、どんな発言をしたか、などを確認することが非常に重要となる。
その際、人物名がわかっていないと犯人を特定することが極めて困難になる。
そのため、登場人物の名前だけは少なくとも覚えておこう。
これらを確実に頭に叩き込んだのち、次は館内捜索で得た情報を整理してみよう。
館内捜索によって得られる情報もなかなか侮れないものであり、過去には犯人特定の決め手(後述するがこれは「犯人確定」と呼ばれる)が含まれていることもあった。
事件の捜査に役立つことは間違いないのでこれも整理しておこう。
情報をまとめているといよいよ開演時間間近。僕は必要な荷物を持って会場へ向かった。
8:30PM 探偵登録&開場
イベント会場が開場し、探偵たちが次々と入っていく。
その際「探偵登録」を行う必要がある。これはいわゆる参加登録というものであり、自分の名前と部屋番号を書いてスタッフに提出することになるがその際、事件を解くためのヒントがひとつもらえるのだ。
このヒントだが、今年初参加の新人探偵と何度か参加したことのあるリピーター探偵にはそれぞれ別のヒントが配布される。
各人どちらかひとつしかヒントがもらえないが、情報交換というものは可能である。
事件を解くにはヒントは多いほうがいいので、思い切って声をかけてみるのはいかがだろうか。
ちなみに新人探偵とリピーター探偵では受付場所が異なっているので、誰が新人で誰がリピーターかの区別はつきやすくなっている。
ヒントをもらった直後に声をかけてみるのがいいだろう。
僕もヒントをもらうべく、新人探偵の受付場所に行ってに声をかけ、新人探偵用のヒントをもらう。ヒントの共有を申し出るとその探偵たちは驚きながらも快くヒントを見せてくれた。新人探偵たちの協力は本当にありがたいものである。
このヒント、そしてディナーヒントもそうだが、もらった時点では何を意味するかは不明である。だが、このヒントは謎を解く大きな手がかりとなるのでヒントをしっかり覚えた上で観劇しよう。
探偵登録後、事件会場となるホールに入場。座席の位置はイベントに予約申し込みをした時点で決まるようだ。それも、早めに予約したほうがいい席になりやすい。
イベントの申し込みはお早めに(^^
今回の僕の座席は前から4列目のほぼ中央の座席。なかなかいい位置である。
そして今回の舞台を確認すると…
詳しくはやはりネタバレのため言えないが、タイトルにもなっている「英国式豪華列車」にふさわしい作りになっている。
果たしてこのステージ、
いや、「ワンダーランド・エキスプレス号」で、
これから何が起こるのか…
第2話 事件編に続く。