名探偵ニコリの事件簿2019 ブラッディウルフ ~博物館の怪しい影~ 第1話

名探偵ニコリの事件簿2019

ブラッディウルフ
~博物館の怪しい影~


第1話 プロローグ編



※お断り※

この報告記事では、観客参加型推理イベントという特性上、事件の内容や真相等の詳細な部分について語ること、いわゆるネタバレとなるような内容については一切記載しておりません
そのため、未参加の方には何を言っているのか全く分からない部分が多々あると思います。

本当は詳細を書きたいのですが、本イベントは今後、大阪・福岡と別の地域でも開催予定であり、それを楽しみにしている方々に詳細情報が漏れてしまうことを防ぐための措置として詳細を伏せた報告記事となっております。
予めご了承ください。

なお、本イベントについては東京公演での内容を記載しております。
イベントの開催時間や進行の流れ、手がかり入手の方法などは、他地域で開催されるものと一部異なる部分がある場合がございます
あわせてご了承ください。


上記2点をご了承のうえ、参加報告をお楽しみください。



8月11日(土) PM3:15 池袋

今年の5月1日に元号が平成から令和に変わって初めて迎えた夏。
7月は連日梅雨を思わせるほどの雨続きであり、さらに気温が上がらず、1993年以来の冷夏となるかと予想されたが、下旬ともなると急激に天候が回復し、日差しが強く照りつけるなど一気に夏が訪れた感じがした。
昨年ほどの暑さではないものの、気温が連日35度を超え、少し外出しただけで体中から汗が噴き出す日々が続いている。
この日も同様に外出を控えたほうがよいくらいの暑さではあったが、そんなことを気にしている場合ではない!
そう思ってしまうほどのイベントが今日開催されることになっていた。そのイベントこそ…



ミステリーナイト


である。

ミステリーナイトとは、目の前で発生した不可思議な殺人事件の真相を推理し、解決に導く観客参加型の本格推理イベントである。

もう少し具体的に説明しよう。

このイベントは大きく分けて「事件編」「捜査編」「解決編」という三部構成からなる。

まず、事件編では、イベントのメイン会場にて、1時間ほどのある演劇を見ることになる。
そしてこの物語の最終盤で謎の殺人事件が発生する!
推理小説や推理ドラマ、映画などではここから探偵役である主人公が事件の謎について推理し、犯人とトリックを解明する、のだがミステリーナイトではここで物語が一度ストップする。

ここでイベントは捜査編へと移行する。
捜査編の詳細は後述するが、ここではイベントに参加している客が自らの足で事件に関する手がかりを集め、
事件の真相を推理することになる。

話だけを聞くと「探偵ごっこをするようなものかな」と思う方もいるかもしれない。
それはある意味正しい。

しかし、実際に参加してみればわかるが、事件の内容は本当に先述の推理小説のように奇々怪々としたものであり、さらに犯人当てという企画である以上、事件の真相や犯人はすぐには分からない。
また、得られる手がかりについても、現場の様子を再現した写真だったり、ここに血痕がついていた、指紋がついていた、といった実際の科学捜査をほうふつとさせる情報が得られたり、さらには容疑者たちへ直接質問して彼らの証言を入手するなど、非常に凝った作りになっている。

長々と書いたがこれを一言で言うと…










お前が探偵になるんだよ!!!!



…ということである(^^;



自分が推理劇の主人公である探偵になって事件を解決するというのは他のイベントでは味わえない体験である。興味を持たれたらぜひ参加してみてほしい。


そして最後は解決編となる。
事件編の最後に発生した殺人事件について、容疑者たちは再度検証を行い、謎を一つずつ紐解いていき、そしてついに事件の真相が明かされることとなる。

また、解決編終了後には正解発表と表彰式が行われ、優秀な推理を披露した参加者たちには豪華賞品や名探偵であることの証であるバッジが授与される。

…というのがミステリーナイトの一連の流れである。

現在毎年8月に東京大阪福岡の3都市で公演が開催されている。
東京では毎年4日間開催され、1日あたりの参加者は最大約400人!
4日間合計でなんと1600人の探偵たちが、目の前で繰り広げられる殺人事件に挑み、日本一の探偵を決定する一大イベントである。

そして毎年東京公演を開催している会場がこちら。



ホテルメトロポリタン
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ホテルメトロポリタン外観

JR池袋駅前という抜群の立地にあるこのホテルは30年以上の歴史を持ち、地方や外国から東京を訪れる観光客に憩いの場を提供し続けている。
一方でホテル内には、催事や会議等を開催可能な宴会場、レストラン・バー、フィットネスクラブ、さらにはブライダル施設も設けられており、ホテルを訪れる客に様々なサービスを提供している。
そして毎年ミステリーナイト開催に協力いただいているホテルである。
「今年もよろしくお願いします」
そう思いながら僕はホテルに入っていった。



PM 3:20 チェックイン待機

ホテルに着いたらまず「チェックイン」をしよう。

ただし、ミステリーナイト参加者のチェックインは、通常の宿泊時のチェックインとは異なり、フロントではなく、別の場所に設けられた特設カウンターにてチェックインをすることになる。
カウンターの場所は毎回変わるがホテル内に案内板が設けられているのでそれを参考にカウンターへ向かおう。

今回チェックイン開始は午後4時からだったのだが、僕を含め、早めにチェックインすることを狙っているのかすでに20名ほどの探偵(参加者のこと)たちがチェックイン開始を待っていた。


みんなせっかちだなあ。


自分もだけど(^^;;


…そう思いながらチェックイン待機列に並ぶ。

チェックインではホテルに宿泊するときと同様に自室の鍵(メトロポリタンではカードキー)が手渡されるが、この時、探偵手帳と呼ばれるアイテムもあわせて手渡される。

探偵手帳とは、今回発生する事件のあらましや登場人物のプロフィール、さらにはイベントの流れ及びイベント中における留意点等が記してある、いわゆるルールブックのようなものである。
イベント参加者は常に携行を求められるため、捜査中は忘れずに持っていこう。

また、ミステリーナイトでは毎回何かしらの記念品が配布されており、今回も昨年に引き続きイベントのメインビジュアルが描かれた特製ブックカバーがあわせて配布された。


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ブックカバー

しかし個人的にはこちらの探偵バッジが久しぶりにほしいなと思っている。

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探偵バッジコレクション

このバッジについてはミステリーナイト参加時によく写真をツイッターに掲載しているが
これを見つけた探偵たちが
「ニコリさんですか!?ブログ読んでます!!」
と声をかけてくれることもある。
コミュニケーションの一助になるのでまた参加証にバッジを作ってほしい。

…と個人的なことはさておき、チェックイン開始を待っているとホテルのスタッフから
部屋の準備が早めに完了したのでチェックイン開始時刻が15分繰り上がり、午後3時45分よりチェックイン開始となる、とのありがたい連絡を受けた。

チェックイン開始から待つこと5分ほど。僕のチェックインも完了。カードキーを受け取り、スタッフから「推理頑張ってください!」と激励を受けたのち、宿泊することとなる部屋へ向かった。

ほどなくして部屋に到着。

この客室が今年の僕の探偵事務所となる。
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客室


そしてチェックインが終わったのでゆっくり休む…といかないのがミステリーナイトである。

PM 3:55 家宅捜索

これまで何度もミステリーナイト参加報告を書いているがこのイベントはチェックインした時からすでに始まっている。

実は客室には、事件解決につながる重要な手がかりが隠されているのである。

その手がかりはォーミングアップクイズ」と呼ばれるものであり、このクイズを解くと前述したように事件の捜査を進めるための手がかりが得られるため、必ず見つけ出して解かなければならない。

これが最初のステップである「家宅捜索」である。
このクイズは、前述したとおり、すぐ目に付く場所にはなく、部屋のどこかに隠されている
家具の裏やベッドの下など、重いものを動かして探す必要はないが、リピーターであってもなかなか見つけることは難しい。
僕も年によっては、すぐに見つけられることもあればなかなか見つけられないこともあったりと、家宅捜索に要する時間はまちまちである。今年はどうなるかなあと思っていたら…






家宅捜索開始30秒でクイズ発見!!wwww



…こんな簡単に見つかっていいのかよ!!!!と拍子抜けしてしまった。

さらにクイズの内容もそこまで難しいものではなかったため、あっさり回答完了。

隠し場所もクイズももうちょっと難易度を上げてくれてもいいよ(^^;


家宅捜索終了!これで一休み…


といかないのがミステリーナイトである(^^;



PM 4:10 館内捜索

家宅捜索を無事に終えた後は「館内捜索」を行う必要がある。
事件に関する情報は客室内だけでなく、ホテル内にもヒントパネルという形でいくつか提示されている。
このパネルを探し、さらなる情報を得るための捜査が館内捜索である。

パネルには、登場人物のプロフィール、現場となる場所の様子など、その時々で内容やパネル枚数は異なるが、事件に関する情報が書かれている
このパネルの内容も事件の捜査においてきっと役に立つはずなので事件編開始までに必ず確認しておこう。

15分ほど館内を周ってすべてのパネルを確認。これで現時点で得られる情報はすべて得られたこととなる。

この後は少しの間自由行動となるが、いったん部屋に戻り、今回の事件のストーリー、登場人物、舞台となる場所など、これまでに得た情報を整理してみるといいだろう。

後述するが事件編では写真、ビデオなどの撮影や音声の録音は一切禁じられている。
そのため、誰が、どこで、どんな行動をとったか、どんな発言をしたかなどをメモに取る、しっかりと記憶するということが非常に重要となる。
その際、人物名がわかっていないと犯人を特定することが極めて困難になる。
そのため、登場人物の名前、そして他の登場人物との関係だけは少なくとも覚えておこう。

僕もいったん部屋に戻り、これまで得た情報を整理したところで次の予定に向かった。


PM 5:00 ディナータイム

ミステリーナイトでは、オプションとなるのだが和・洋・中のコースディナーを注文することができる。
料理はその時開催されるイベントの事件内容をもとにシェフが考案したものであり、ミステリーナイトでしか味わえない絶品料理である。
ちなみにディナータイムは2部構成になっており、PM5:00~6:30の部と、PM7:00~8:30の部のいずれかが選べるようになっている。
僕は、後述するが午後8時30分からは次の予定があるため、毎回夕方5時の回を選択している。
自分の行動スケジュールにとって都合の良い時間帯を申し込もう。

今回僕が頼んだのは洋食のコース料理。
場所はメトロポリタン25階にあるダイニング&バー オーヴェストさん。

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ダイニング&バー オーヴェスト エントランス



今回のメニューはこちら。

前菜盛り合わせ
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牛サーロイングリルのタリアータ バルサミコソース
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白桃のヴェリーヌ メルバ風
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美味しそう!


という声と同時に…






料理名がよくわからん!!




…という意見も聞こえてきそうであるww

実際僕もそれぞれの言葉の意味を調べながら記事を書いたwwww
それぞれの言葉の意味だが、このブログは料理ブログではないので紹介は省略させていただく(^^;
気になる方は各自で検索してほしい。


それはさておき、イタリア料理風の特別ディナーに舌鼓を打っているころ、僕はあることが気になっていた。


ヒントディナーはいつ提示されるのだろう。


このディナーはオプションであり、頼むも頼まないも探偵各自の自由だが、実はディナーを味わったものだけがもらえるディナーヒントと呼ばれるヒントがある。
事件解決の更なる手がかりが増えるので申し込んで損はない。
参加においてはぜひ検討してみてほしい。

このディナーヒントは毎回凝った方法で提示されるのだが今回はどんなふうに出てくるのか…

そう思っていたとき、突如店内に声が響き渡った

ん?と思いながら辺りを見回すと…


何と3人の婦人警官がレストランに入ってきた!


そして彼女たちの間で始まる謎のやり取り。
「せんぱーい!何か分かったんですか!?」
「ええ!これよ!!」
そう言って先輩と呼ばれた婦人警官は1枚の紙を取り出し、書かれた内容を声に出した。


もうお分かりだろう。





…いや、分かってもらえるか逆に不安である(^^;




実は先ほどの紙にディナーヒントが書かれていたのだ。
なるほどこうやって提示されるのか、そう思いながら僕を含めた探偵たちは一様にヒントをメモに控える。

さらにその後、彼女らの上司と思われる男性警官が登場。彼女たちの成果を確認した後、彼は店内に向かって
「このやり取りはフィクションであり、今夜のミステリーナイトの内容とは一切関係ありません!!」
と注意事項(?)を述べ、そして退場していった。


…なんだかすごい嵐のような時間だったなあ


ちなみにこのディナーヒントを提示してくれるのはE-pin企画スタッフではなく…



メトロポリタンで勤務するスタッフの皆さんなのだ!
彼ら、彼女らが自ら役を演じ、ヒントを出してくれるのだ!!



そのはじけっぷりはミステリーナイト出演者も一目置くほどの高レベル(!?)なもの!
皆さんもミステリーナイトを盛り上げようと様々な工夫を凝らしてくれていることに感謝である。

そう思いながら僕はディナーを再度味わうことにした。
同時にヒントについても考える。
しかし、このヒントは、もらった段階ではそれが何を意味するのかは全く不明である。
だが、いずれ推理の手助けになることだけは間違いない。しっかりメモして内容を頭の片隅に入れておこう。


その後僕はこれまでに得た情報について確認しながらディナーを堪能。
今回のメニューもすべて絶品でした。
オーヴェストさんご馳走様でした。

時刻は午後6時30分。

ディナータイムが終わると事件前にするべきことはすべて終了となる。
あとは各自開演まで思い思いの方法で過ごすことになる。
僕は、自室に戻り、これまでに得た情報を少しでも多く頭に叩き込むため、開演の時まで再度情報を整理することとした。

そのおよそ2時間後…


PM 8:30 イベントホール開場&探偵登録

開場時刻の午後8時30分になり、イベント会場となるメインホールがオープン。探偵たちが次々と入っていく。
先ほど述べたがディナータイム第2部の終了時刻が午後8時30分。それと同時にメインホールオープンとなる。
開場すると同時にホールに入り、参加者が少ないうちにステージの様子を見ておきたいので僕はいつも夕方の回を申し込んでいるわけである。

話を元に戻そう。

会場がオープンしたがそこに入場する際は、「探偵登録」を行う必要がある。
これはいわゆる参加登録というものであり、チェックイン時に配布される専用の用紙に自分の名前と部屋番号を書いてスタッフに提出することになる。
この際、事件を解くためのヒントがひとつもらえるのだ。

このヒントだが、今年初参加の新人探偵と過去に参加経験のあるリピーター探偵にはそれぞれ別のヒントが配布される。各人どちらかひとつしかヒントがもらえないが、情報交換というものは可能である。

また、新人探偵とリピーター探偵では受付場所が異なっているので、誰が新人で誰がリピーターかの区別はつきやすくなっており、さらにヒントが書いてある紙の色も異なっている。
自分と違う色の紙を持っている探偵たちがいたら大チャンス。
思い切って声をかけて情報交換を呼びかけてみるのはいかがだろうか。

…というのが例年のやり取りだが、今年はなんと新人探偵とリピーター探偵でヒントが共通のものとなっていた!
そのため、新人探偵に声をかける必要がなかった。
自分がもらえないヒントを新たに入手する必要がないというのは楽と言えば楽であるが他の探偵との交流が図れないのは少し残念である。
そう思いながらヒントを眺める。

このヒントは、前述したウォーミングアップクイズの答えやディナーヒント同様、もらった時点では何を意味するかは不明である。
だが、このヒントは謎を解く大きな手がかりとなるのでヒントをしっかり覚えた上で観劇しよう。
 
探偵登録後、事件会場となるホールに入場。
ホールには事件編が上演される舞台が用意されており、なかなかの雰囲気が漂っていた。
舞台ぎりぎりまで近づいて今回のステージを確認したのち、指定の座席に着席。
座席は全席指定席であり、チェックイン時に教えてもらえるのでしっかり確認しておこう。
今回の僕の座席は前から2列目。さらにステージ中央やや右寄りとなかなかの好位置。
舞台を隅々までよく鑑賞できそうだ。
そんなことを思いながら開演時刻を待つ。


果たしてこのステージの上で、これから何が起こるのか…



第2話 事件編に続く。